F1 2021 プレシーズンテストのまとめ

 さて、2021年シーズンのプレシーズンテスト3日間が終了しました。結果としては

1日目

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2日目

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3日目

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 気付くこととしてはレッドブルが去年に比べ安定して好タイムを記録しており、メルセデスが対照的に苦しんでいることが挙げられます。今年は、レギュレーション変更によりフロア後部の一部がカットされるため、多くのチームがトークンをリアに使いリア周りを変更してきました。メルセデスはローレーキ+ロングホイールベースコンセプト、レッドブルはハイレーキ+ショートホイールベースコンセプトを採用しています。ハイレーキではフロア全体をディフューザーのように使うため、今年のレギュレーション変更で最も影響を受けるのはレッドブルだと言われていましたが、今年は去年のようなピーキーさがなくなっているように感じました。

 それに対しメルセデスは去年のような安定性がなく、さらにギアボックストラブルによりロングランもできなかったのは意外でした。今まではシーズン開幕前までに仕上げてきたりシーズン中のアップデートを確実に行って7連覇を達成しましたが、今年は開幕までにあまり時間がないためマシンを仕上げられない可能性もあります。ただし、メルセデスはテストで三味線を引いている可能性も否定できないので、本当の性能は開幕の予選まで判断できないと思います。

 もしレッドブルが本当にチャンピオンを取るつもりならば、テストの結果だけに満足せず、序盤にできる限りポイントを稼ぎ、その後もポイントのロスを最小限にしないと17、18年のフェラーリのように後半戦でずるずると負けて残り数戦を残してチャンピオン確定されてしまいます。そのため、過剰な期待は禁物ですが、今年はまだ去年と比べてチャンスはあるように感じます。

 角田選手に関しては、テストでは2番手のタイムを記録してはいますがDRSを早く開けているためあまり参考にはなりませんが、それでもルーキーとしては素晴らしいものだと思います。

その他のチームで気になるのは、アストンマーティンとアルピーヌです。アストンマーティンは今回のテストでメルセデスと同じギアボックストラブルに見舞われ、あまり周回を重ねられていませんでした。去年のRP20はW10のコピーマシンだったのでかなりの速さを持っていましたが、今年は去年ほどの速さは持っていないように思います。今年からルノーからメルセデスに変更したマクラーレンは自社製のギアボックスを使っていることもありトラブルフリーでテストを終えていることを考えると、メルセデスの弱点はギアボックスの可能性が大きいと思います。アルピーヌはインダクションポットを膨らませた設計が吉と出るか凶と出るかが気になる点ではありますが、この時代にユニークな設計を行なってきた点に関しては評価したいと思います。タイムに関してはアタックをしていないためあまり良いタイムが出ていませんが、トラブルフリーで150周近く走り切ったことを考えると耐久性に問題はないように思います。 

 他の下位チームでは、アルファロメオはまだ期待できそうですが、ハースやウィリアムズは去年と同じか去年未満の可能性もあると思います。ハースはマゼピンとシューマッハのルーキー二人で大化けする可能性もないわけではないですが、タイムやトークン未使用でほとんど去年と変わらないマシンでは予選Q2進出が精一杯だと思います。

 このような結果となりましたが、開幕時に各チームがどのようなタイムを出すのか、そして決勝がどのような結果になるのかが楽しみです。今年はホンダのラストイヤーでもあるのでメルセデスVSレッドブルの戦い、そしてマクラーレンを筆頭とした中堅の戦いも見頃だと思います。